2016年2月24日水曜日

【お知らせ】な~るほど・ザ・台湾2月号「台湾雑誌特集」



在台灣出版的日文雜誌「Naruhodo the taiwan」,這二月號的特集就是「台灣雜誌」,尤其是焦點是「獨立雜誌」。感謝田園城市的陳老闆接受我的採訪!
「な~るほど・ザ・台湾」2月号の「台湾雑誌特集」で、特にインディー雑誌にスポットを当て、田園城市の陳社長や秋刀魚編集部、甘樂誌の林総編集長にインタビューさせて貰ってます!
台湾の雑誌、100-200元で買えるものが多く、ビジュアルも面白いのでお土産にも良いかと。

【香港映画】「葉問3」


見逃していた「キングスメン」をDVDでようやく観られて期待通りめちゃくちゃ面白かったのだが、最初の殺陣のシーンを観ていて、先日台湾で公開されて観に行った「葉問3」を思い出していた。この手の殺陣の優雅さにおいて、香港のカンフー映画はやっぱり一朝一夕で出来たものではないし、抜きんでているのがわかる。
今回の一番の見どころは勿論、あのマイク・タイソンと葉問が戦うところだろう。一作目ではイギリス人の白人ボクサーだったのが、今度はマイク・タイソンとめちゃくちゃスケールアップ。70年代カンフー映画華盛りの頃の「片腕カンフー」とかギミックばりばりな展開を期待させるが、そこはそれで元・世界王者へのリスペクトが感じられる持っていき方で好感が持てた。
香港の古いアパートメント、インテリア、女優陣のチャイナドレスに化粧、どれも美しい。
そして最新のCGが駆使されたアクションシーン。CGが発達すれば発達するほど、リッチテイストのカンフーアクションが観られるのはまさに眼福といえる。

とはいえ、いちばんの葉問は誰かと問われれば真っ先に思いつくのはやっぱりアンソニー・ウォンで(アンソニー大好き!)、しかし、実はまだ「グランドマスター」を観ていないという体たらくなので、「最強の葉問」を決めるのはト二―レオンの葉問を観てからでないと語るに落ちるだろう。

ところで、ブルース・リーのそっくりさん(ちょっとシャクれてるけど)が出てきたところ、あそこ笑うシーンだと思うんだが、他のお客さんてば全然笑ってなかったなあ。
台湾の映画館で映画を観ていると、笑いのツボがずれることが少なくない。
これもこれで、台湾で映画を観る醍醐味なワケだけど。


2016年2月13日土曜日

【台湾映画】234說愛你~現代の「変身物語(Metamorphoses )」



「わたしはどんな役も満足に演じることができない」
「唯一、完璧にこなせる役があるよ」
「どんな役?」
「良妻賢母」

他人からそう言われて心から喜ぶ女性は、台湾では少ないのではないだろうか?
(先進国内では女性の社会進出率が最低の日本ではどうかわからないが、少なくともわたしはまったく嬉しくない)

台湾映画「234說愛你」は、恋人のそんな言葉から始まる、一人の女の子の成長物語だ。

林依晨の演じる簡沛薰は、大学を卒業したばかりの舞台女優の卵。
不況のため就職先がなかなか決まらず、フランス・パリへ行くのを共に夢見るパティシエ志望の彼・阿澤  (簡宏霖)も兵役へ行ってしまった。そこへ舞い込んだのが浮気調査を主とする興信所の仕事。高額報酬につられて「イケメン人気ジュエリーデザイナーをオトす」ミッションを引き受けてしまうが、本気で恋に落ちた末、自分を見失ってしまうのだった。


ジュエリーブランドの社長・李曜  (‎秦昊)をめぐって、20代の林依晨を主人公に、30代の愛人・俞倩  (周姮吟)、妻・40代の王丹莉  (蔡淑臻)と4人の思惑が交差する。そもそもタイトルの「234」は「20代=恋」「30代=キャリア」「40代=家庭」とそれぞれの年代の女性が男性へ求めることの違い、という意味もあるらしい。
が、残念ながらその部分はあまり描けていない。30代の愛人と40代の妻の心情をきちんと細やかに描けていればもっと面白くなったかもと惜しい。群像劇でも良かったと思う。

ところで台湾では愛人を「小三」と呼ぶ。法律で「姦通罪」が設けられている台湾では浮気は犯罪である。しかし立証が難しいため、夫と離婚したい妻が興信所に夫を誘惑する「第四者」を依頼して決定的な浮気の証拠をつかむ、ホントにそんなことが現実に行われているらしいというのだからびっくりポンだ(そんな簡単にいくのか?という疑問もあるけど)。
という訳で、映画タイトル「234說愛你」の「234」の部分は、一人の男(1)に対する妻(2)、そして愛人=小三(3)、誘惑者=小四(4)ということも含んでいると思われる。


ちなみに、劇中のジュエリーブランドの名前にもなっているシェークスピアの「真夏の夜の夢」も、恋の媚薬を嗅いだ4人が一夜の夏の夢をみる物語だ。また、浮気な李曜と妻の関係は、ギリシア神話の浮気な全能神ゼウスと嫉妬深いヘラをめぐる「変身物語」も思い出させる。
そして劇中にでてくる「ジョセフィーヌ」。
ジョセフィーヌといえばフランスのナポレオン皇帝が離縁した妻だ。当初はナポレオンを馬鹿にしていたジョセフィーヌの、ナポレオンへの愛が深まるほど、ナポレオンのジョセフィーヌへの愛情は冷めたという。

偶々なのか、同じ年に公開された中国映画で林依晨主演「追婚日記」と印象はすごく似ている。どちらも、根っこにあるのは女の子の変身願望である。女性の大統領が誕生した台湾でも、「良妻賢母」という女性へのプレッシャーはまだまだ生きて居る、そんなことを再確認させられた作品だ。